tuki.さんの「晩餐歌」。
2024年上半期の総合楽曲チャートは2位にランクインし、大きな話題となりました。
「晩餐歌」については、「浮気容認の歌?」と感じ、苦手意識を持っている人も多いようですが、本当に「浮気容認の歌」なのでしょうか?
大ヒット曲の「晩餐歌」の歌詞の考察をまとめました。
tuki.「晩餐歌」は「浮気容認の歌」?
15歳のシンガーソングライターtuki.さん。
昨年中学3年生の時に発表した「晩餐歌」は、TiktokやYoutubeを中心に大ヒットしています。
tuki.さんの「晩餐歌」は、一部では嫌いという意見もあります。
浮気をイメージさせる?
晩餐歌の歌詞が嫌われる理由には、浮気を彷彿させるからと言われています。
特に冒頭の人間だから違うものも食べたいとか、浮気を正当化してるみたいで物凄く腹立たしいです。 なのにサビでは愛して欲しいみたいな事も言ってて、都合良すぎるしどれだけ幼稚なんだと思ってしまいます。
Yahoo!知恵袋より
この投稿者は、浮気を正当化しているような「晩餐歌」の次のような歌詞に違和感を感じているようです。
君を泣かすから 早く忘れてほしいんだ
人間だからね たまには違うものも食べたいね
歌詞の本当の意味は?
tuki.さんは、なぜこのような歌詞を考えたのでしょうか。
インタビューを見てみましょう。
「ダメ男が好き」な自分
フリーアナウンサーの有働由美子さんがMCを務める日本テレビ「with MUSIC」に出演した時に、tuki.さんは「ダメ男がタイプ」と語っていました。
15歳とは思えない達観した世界観の楽曲を生み出すtuki.に対し、有働アナは「どうやったら歌詞が出てくるんですか」と質問。tuki.が「私はクズ男、ダメ男がタイプなので…」と切り出すと、「ちょっと待って!」とストップをかけ、「高校1年生でダメ男が好きなんですね?」と驚きを隠せない様子だった。
Sponichi Annexより
この後、実体験によって思いついたストーリーと、少女漫画やアニメから得た妄想を膨らませて楽曲に混ぜていることを語りました。
「晩餐歌」も、tuki.さんの好きなダメ男をテーマにしているのだとしたら、「浮気を正当化」しているのではなく、「ダメ男を好きになってしまった自分をなぐさめている」歌のようにも感じます。
解釈が人によって違うことは承知
また、Billboard JAPANのインタビューでは、晩餐歌について以下のように答えています。
――逆に自分が大きな手応えを感じていても、聴いてくれた人が同じように感じるとは限らない。そのあたりは難しい感覚ですよね。実際、「晩餐歌」に関してはどんな反響が届いていますか?
tuki.:すごくいろんな解釈があって、見ていて面白いなと思いました。コメントは大事に読んでます。
Billboard JAPANより
歌詞については賛否両論あるものの、tuki.さんは聴く側の解釈を楽しんでいるようですね。
「晩餐歌は浮気の歌?」と感じている人も多いようですが、tuki.さんは「一つの解釈」をして受け取っているようですね。
「晩餐歌」は、「最後の晩餐」から
ちなみに、晩餐歌の最初の仮タイトルは「フルコース」。
そのためか、歌詞には「フルコース」の語が多く登場します。
tuki.さんは、美術の授業で「最後の晩餐」を学んだことがきっかけで、「晩餐」という言葉に興味を持ったそうです。
「約束のネバーランド」の影響
tuki.さんは、漫画アニメ舞台などで人気の「約束のネバーランド」が好きなことでも知られています。
tuki.さんのミュージックビデオの絵は、「約束のネバーランド」で作画を手掛けた出水ぽすかさんが担当。
tuki.さんも、「約束のネバーランド」の世界観に近いミュージックビデオに満足していることをインタビューで明かしていました。
「約束のネバーランド」は、孤児院で育った子供たちが、魔物の食事として差し出されることに感づき、孤児院(農園)から逃げる話。
「晩餐歌」に出てくるうさぎは、「メイド」のうさぎではなく、「約束のネバーランド」に出てくるママ(育ての親だと思って信頼していたら、魔物に子供を差し出すために子供を管理している人だった)を表現しているのかもしれませんね。
イエス=キリストの裏切り者を表現したとされる「最後の晩餐」にも通ずるものがありますね。
うさぎ自体が「裏切り」の象徴ならば、「最高のフルコース」は、裏切られることが分かって、それでも欲しているということになります。
そう考えると、せつない歌詞ですね。
紅白歌合戦出演!!
tuki.さんが2024年の紅白歌合戦出演!
顔出しは無し。
ベールの向こうに、月のセットに座って歌うtuki.さん、という演出でとても幻想的でした!
高校生で初出場ながら、一人で堂々と歌う姿は素晴らしいですね!